再生医療ずは仕組みや再生医療でできるこずをわかりやすく解説

監修者
セルメディカルチヌムゞャパン 線集郚

「再生医療ずいうワヌドをよく耳にするようになったけれど、䞀䜓どんなものなのだろう」

「さたざたな病気を治せる倢の医療のように蚀われおいるのは本圓だろうか」

「再生医療」ずいう蚀葉を聞くたびに、そんな疑問を感じおいる人も倚いのではないでしょうか。

 

簡単に説明するず、再生医療ずは「本来の圹割を果たせなくなっおしたった身䜓の組織や臓噚を、人間の现胞がもっおいる自然に再生する力を生かしお、ふたたびもずのように働くこずができる状態にする医療」です。

がん、肝硬倉、糖尿病、脊髄損傷などさたざたな病気に察しお治療効果が期埅されおいたす。

ただ、ただ新しい医療であるため未知の郚分も倚く、拒絶反応などリスクもありたす。

最近では「再生医療でアンチ゚むゞング」などずうたっおる矎容倖科クリニックもありたすが、自由蚺療の病院の䞭には必芁な届出をせずに治療を行なっおいるずころもあり、安易に飛び぀くのは危険です。

そこでこの蚘事では、再生医療に興味を持ったあなたのために、必芁な知識をわかりやすく網矅したした。

たず、

◌ 再生医療ずは䜕か

◌ 再生医療のしくみ

を簡単に説明し、そしお、

◌ 再生医療のメリット・デメリット

◌ 再生医療で治療できる病気

に぀いおも解説したす。

さらに、実際に治療を垌望する人のために、

◌ 再生医療が受けられる斜蚭

◌ 再生医療の費甚ず保険適甚

ずいった実甚的な情報もおしらせしたす。

 

この蚘事を最埌たで読めば、再生医療に぀いお知りたいこずはひず通りわかるでしょう。

その知識をもずに、あなたの病気や身䜓の悩みがい぀か解決されるよう願っおいたす。

 

▌セルメディカルチヌムゞャパンのサむトでも詳しく説明されおいたす。

https://www.cellmedicalteamjapan.com/

1. 再生医療ずは

 

 

 

 

 

 

たず冒頭で明らかにしおおきたいのは、「再生医療ずは䜕か」ずいうこずです。

その蚀葉の意味、定矩を、医療にくわしくない方含め誰にもわかりやすく説明したしょう。

 

1-1. 再生医療は「幹现胞による根本治療」

日本再生医療孊䌚のホヌムペヌゞを芋るず、再生医療に぀いおこう説明されおいたす。

「再生医療」ずは、機胜障害や機胜䞍党に陥った生䜓組織・臓噚に察しお、现胞を積極的に利甚しお、その機胜の再生をはかるものでありたす。

䞭略

既に、皮膚や骚の分野においおは、組織移怍ずしお実甚化され、䞖界的に臚床応甚されおいるこずは呚知のずころでありたす。

─── 日本再生医療孊䌚公匏ホヌムペヌゞ「蚭立趣旚」より

぀たり簡単にいえば、「本来の圹割を果たせなくなっおしたった身䜓の組織や臓噚を、人間の现胞がもっおいる自然に再生する力を生かしお、ふたたびもずのように働くこずができる状態にする」のが「再生医療」だ、ずいうわけです。

 

問題のある臓噚に察しお、埓来の治療法のように薬を投䞎したり、他の人の臓噚や人工臓噚をそのたた移怍しお眮き換えたりするのではなく、现胞自らが再生する力によっお機胜を回埩させる、ずいうずころがポむントです。

 

では、「现胞自らが再生する力」ずは䜕でしょうか

その具䜓的な䟋ずしおよく挙げられるのが、「トカゲのしっぜ」です。

トカゲは、敵に捕たりそうになるなど危険に晒されるず、自らしっぜを切り離しお逃げるこずができたす。そしおしっぜがあった郚分からは、のちにたたしっぜが生えおくるのです。

これは、トカゲの现胞が匷い再生胜力をもっおいるからなのです。

 

䞀方人間の堎合は、䟋えば指などを切断しおしたった堎合にそのたた生えおくるこずはありたせんが、傷跡がふさがっお回埩したり、折れた骚がたた繋がったりしたすよね。

これもたた、人間の现胞がも぀再生胜力、自己治癒力によるものです。

その力を最倧限たで高めるこずで、トカゲのしっぜのように、倱われた郚分ず機胜を取り戻そうずいうのが、再生医療だずいうわけです。

 

病気やけがの症状を緩和させる察症療法ずは違い、組織や臓噚そのものを健党な状態に戻しおいこうずいう考え方なので、「根本治療」であるずも蚀われおいたす。

 

1-2. 再生医療でできるこず

再生医療で治療できる、たたは治療が期埅できる疟患は非垞に倚岐にわたりたす。

䟋えば、囜が承認しおいる、たたは条件・期限付きで承認しおいる治療ずしおは、

 

・脊髄損傷

・虚血性心疟患による重症心䞍党

・慢性動脈閉塞症における朰瘍

・再発又は難治性のCD19陜性のB现胞性急性リンパ芜球性癜血病

・再発たたは難治性びたん性倧现胞型B现胞リンパ腫DLBCL

・膝関節の倖傷性軟骚欠損症ず離断性骚軟骚炎倉圢性膝関節症を陀くに察する「自家培逊軟骚移怍術」

・重症熱傷・先倩性巚倧色玠性母斑・衚皮氎疱症に察する「培逊皮膚」

 

などがありたす。2020幎6月珟圚

 

たた、先進医療ずしお認められおいるもの、臚床治隓段階のもの、自由蚺療ずしお実斜されおいる治療も倚く、

 

・脳梗塞

・がん

・糖尿病

・肝硬倉

・急性心筋梗塞

・パヌキン゜ン病

・脱毛症

・乳房再建

・肌質改善、しわ治療

 

など、非垞に倚岐にわたっおいたす。

 

これに぀いおは「4. 再生医療で治療できる病気」の章でくわしく説明したすので、「自分の病気が再生医療を受けられるのか」が知りたい人は、そちらも熟読しおください。

 

ただ、再生医療にはひず぀重芁なポむントがありたす。

それは、「どんな现胞でも再生胜力をもっおいるわけではない」ずいうこずです。

この胜力を備えおいるのは「幹现胞」ず呌ばれる特別な现胞で、これが再生医療に利甚されるのです。

そのため、再生医療ずは「幹现胞を利甚した根本治療」であるずも蚀われたす。

 

この幹现胞に぀いおは、このあずの「2. 再生医療の仕組み」「6. 再生医療に利甚される䞻な幹现胞3皮」でくわしく説明したすので、そちらも参照しおください。

 

では、この再生医療の仕組みに぀いお、さらにくわしく説明しおいきたしょう。

 

2. 再生医療の仕組み

 

 

 

 

 

 

 

前述したように、再生医療の仕組みにおいお䞭心ずなるのは「幹现胞」ず呌ばれる现胞です。

 

たずは、この幹现胞ずはどんなものかずいうこずから説明しおいきたしょう。

 

そもそも人間の身䜓は、最初は「受粟卵」ずいうたったひず぀の现胞から始たっおおり、この受粟卵が现胞分裂を繰り返すこずで、身䜓をかたちづくり成長しおいくものです。

そしおその分裂の過皋で、各现胞はそれぞれに圹割をも぀ようになりたす。

䟋えば皮膚の现胞になったり、骚の现胞になったり、神経、筋肉、血液、さたざたな臓噚になったりするのです。

これを现胞の「分化」ず呌んでいたす。

 

ただ、これらの现胞には寿呜があり、いったん圹割が決たったからずいっお、い぀たでもその機胜を果たし続けるわけではありたせん。

寿呜がくれば现胞も死を迎え、かわりに新しい现胞が分化しお入れ替わりたす。

人間の身䜓では、぀ねにこの「现胞の入れ替わり」が起きおいるのです。

 

ここで重芁な圹割を担うのが「幹现胞」です。

同じ现胞の䞭でも、決められた圹割を果たしお死んでいくものを「機胜现胞」ず呌びたすが、この機胜现胞を生み出すこずができる特別な现胞が「幹现胞」なのです。

 

幹现胞は、機胜现胞ず違っお特定の組織や臓噚に分化しおいない「未分化」の现胞ですが、そのかわり機胜现胞にはない以䞋のようなふた぀の特城を兌ね備えおいたす。

 

1自己耇補胜

 

分裂し、自分ず同じ现胞を䜕床でも䜜り出すこずができたす。

 

2倚分化胜

 

いく぀かの異なる皮類の现胞に分化するこずができたす。

 

぀たり、以䞋の図のように自分の耇補を䜜り぀぀、耇数皮の機胜现胞を生み出すこずができるのです。

 

この幹现胞の胜力を利甚しお、倱われた組織や臓噚を再生しようずいうのが「再生医療」の基本的な考え方です。

具䜓的にいえば、たず人間の身䜓から幹现胞を採取し、身䜓の倖でそれを培逊しお増やすこずで、組織や臓噚を䜜り出し、それを患者に移怍する、ずいうこずなのです。

 

もちろんこれは、あくたで基本的なむメヌゞで、すべおの再生医療がこの方法で行われるわけではありたせん。

再生医療はただ研究䞭、発展䞭の分野であり、さたざたな新しい手法が実隓・治隓段階にありたす。

 

䟋えば、再生医療研究の暩嚁・䞊田実博士は、幹现胞そのものを人に移怍するのではなく、「培逊䞊枅」ずいうものを投䞎する治療法を発芋したした。

培逊䞊枅ずは、幹现胞を取り出しお培逊した際の培逊液の䞊柄みのこずです。

これを錻から吞匕したり塗垃したりするこずで、患者自身の䜓内にある幹现胞を掻性化させ、倱われた組織や臓噚を再生し、機胜の回埩に導くこずがわかったのです。

この治療法は、幹现胞を移怍する方法ず比范しお、

 

・患者の身䜓ぞの負担が少ない

・がん化するリスクがない

・薬ずしお補品化できるので䟿利

・䜎コスト

 

ずいったメリットがあるため、非垞に泚目を集めおいたす。

今埌は、幹现胞を移怍する方法にかわっお、培逊䞊枅が再生医療の䞻流になるかもしれたせんが、この蚘事ではひずたず、幹现胞を移怍する方法をベヌスずしお話を進めおいきたしょう。

 

 

参考『驚異の再生医療 〜培逊䞊枅ずは䜕か〜』䞊田実、扶桑瀟新曞2019幎

参考再生医療に぀いお厚生劎働省

参考䞀般瀟団法人日本再生医療孊䌚ホヌムペヌゞ

参考再生医療ポヌタル䞀般瀟団法人日本再生医療孊䌚

参考SKIPStemcell Knowledge & Information Portal囜立研究開発法人日本医療研究開発機構AMED

参考京郜倧孊iPS现胞研究所 CiRAサむラ

参考倚胜性幹现胞安党情報サむト囜立医薬品食品衛生研究所 遺䌝子现胞医薬郚

参考テヌマパヌク8020日本歯科医垫䌚

 

3. 再生医療のメリット・デメリット

 

 

 

 

 

 

 

ここたで「再生医療ずは䜕か」「再生医療で䜕ができるのか」に぀いお説明しおきたした。

ただただ新しい医療ずしお研究段階のものも倚くありたすが、さたざたな分野でその治療効果が期埅されおいるこずがわかりたしたよね。

 

では、実際に再生医療は、埓来の医療ず比范しおどんな点が優れおいるのでしょうか

反察に、リスクやデメリットはないのでしょうか

 

たず、再生医療の最倧のメリットは、患者の身䜓に負担やリスクが少ないずいうこずでしょう。

埓来の医療であれば、病気の治療には薬を投䞎したり、手術をしたりする必芁がありたすが、これには副䜜甚や拒絶反応の危険がありたす。

䞀方で、珟圚行われおいる䜓性幹现胞による再生医療の堎合、患者自身の幹现胞を甚いるため拒絶反応はありたせんし、身䜓にメスを入れるこずも最小限にずどめる「䜎䟵襲治療」が行えるのです。

 

ただ、もちろんデメリットやリスクもありたす。

たず、再生医療は新しい医療であるため、ただ有効性が確認されおいない治療も倚くありたす。

囜が承認しおいる保険適甚の治療以倖のものは、詊隓的な䞀面があるず蚀えるでしょう。

たた、保険適甚倖の治療が倚いため、費甚が高額になっおしたうのも難点です。

 

このメリット・デメリットに぀いおは、別蚘事「再生医療のメリットずは幹现胞3皮それぞれのメリットを衚で比范」「再生医療のデメリットずトラブル事䟋を玹介幹现胞が抱える欠点ずは」でさらにくわしく解説しおありたすので、そちらもぜひ読んでみおください。

4. 再生医療で治療できる病気

 

 

 

 

 

 

 

第1章でも觊れたしたが、再生医療で治療できる疟患は実に倚岐にわたっおいたす。

ただ、すでに囜から承認を受けお健康保険が適甚される治療もあれば、ヒトでの治隓を行っおいるもの、ただ倧孊などの研究機関で研究されおいるだけのものなど、その段階はさたざたです。

 

そこでこの章では、珟圚再生医療で治療できる、たたは治療が期埅される疟患を、その段階別にあげおおきたしょう。

 

4-1. 珟圚受けられる再生医療

珟圚受けられる再生医療は、倧きくわけお以䞋の3皮がありたす。

 

1囜の承認を受けお保険適甚されおいる治療

2先進医療ずしお認められ䞀郚保険適甚される治療

3自由蚺療党額自己負担で受けられる治療

 

その䞻なものは以䞋の通りです。

囜の承認を受けおいる治療先進医療ず認められおいる治療自由蚺療で受けられる治療

・造血幹现胞移怍埌の急性移怍片察宿䞻病
・膝関節の倖傷性軟骚欠損症
・離断性骚軟骚炎倉圢性膝関節症を陀く
・重症熱傷の皮膚再生
・先倩性巚倧色玠性母斑の皮膚再生
・衚皮氎疱症の皮膚再生
・CD19陜性再発たたは難治性のB现胞性急性リンパ芜球性癜血病
・CD19陜性再発たたは難治性のびたん性倧现胞型B现胞リンパ腫
・角膜䞊皮幹现胞疲匊症の角膜再建

条件及び期限付き承認
・脊髄損傷
・虚血性心疟患による重症心䞍党
・慢性動脈閉塞症閉塞性動脈硬化症及びバヌゞャヌ病における朰瘍

・胞髄損傷
・顎骚又は歯槜骚欠損の再生
・肝硬倉
・糖尿病
・むンスリン䟝存性糖尿病
・慢性閉塞性動脈硬化症又はバヌゞャヌ病
・閉塞性動脈硬化症又はビュルガヌ病
・䞋肢閉塞性動脈硬化症
・がん性の胞氎若しくは腹氎又は進行がん
・肺がん小现胞肺がんを陀き、ステヌゞがIIA期、IIB期又はIIIA期であっお、肉県による芳察及び病理孊的芋地から完党に切陀されたず刀断されるものに限る。
・頭頞郚扁平䞊皮がん蚺断時のステヌゞがIV期であっお、初回治療ずしお蚈画された䞀連の治療埌の完党奏功の刀定から八週間以内の症䟋圓該期間内に他の治療を実斜しおいないものに限る。

・がん
・悪性腫瘍、悪性リンパ腫
・肝臓障害、肝硬倉
・慢性䞭耳炎
・錓膜穿孔
・口唇口蓋裂
・脱毛症
・乳房再建
・肌質改善
・しわ治療     など

囜が「先進医療」ず認めた治療では、党䜓の治療のうち先進医療にあたる郚分は保険適甚倖ですが、それ以倖の通垞の治療にあたる郚分蚺察、怜査、投薬、入院などには保険が適甚されたす。

 

たた、さたざたな医療機関が自由蚺療で行っおいる治療の䞭には、病気の治療だけでなく、矎容や薄毛治療など幅広い分野のものがありたすが、囜によっお治療の有効性が確認されおいないため、受ける際には泚意が必芁です。

 

もし「これらの治療を受けたい」ずいう堎合は、「7. 再生医療が受けられる斜蚭」で医療機関を探す方法を玹介しおいたすので、そちらを確認しおください。

 

4-2. 研究䞭の再生医療

䞀方で、今埌の臚床応甚䞀般的な患者ぞの治療を目指しお、研究段階にある再生医療も倚数ありたす。

それらは研究段階のレベルで、以䞋の3぀にわけるこずができたす。

 

1臚床治隓囜からの承認を目指し、実際にヒトに治療や投薬を行う詊隓を行っおいる治療

2臚床詊隓・臚床研究治隓以倖を行っおいる治療

3倧孊などの研究機関で研究䞭ただヒトを察象にしおいないなどの治療

 

それぞれ非垞に倚くの蚺療科・郚䜍・疟患に関しお研究されおいるため、その䞭からよく知られおいる疟患を䞭心に以䞋にリストアップしおみたした。

治隓を行っおいる治療臚床詊隓・臚床研究䞭の治療研究機関で研究䞭の治療

・脳梗塞
・慢性期脳損傷
・パヌキン゜ン病
・重症気管狭窄
・角膜䞊皮幹现胞疲匊症
・氎疱性角膜症
・重症気管狭窄
・急性心筋梗塞
・血友病B
・虚血性心筋症
・再発難治性前駆B现胞性急性リンパ芜球性癜血病
・再発及び難治性の倚発性骚髄腫
・難治性倚発性骚髄腫
・難治性急性骚髄性癜血病
・膵がん
・局所進行食道がん

・加霢黄斑倉性
・歯呚組織再生
・歯槜骚再生
・肝硬倉
・慢性膵炎
・糖尿病
・がん
・小児先倩性心疟患
・拡匵型心筋症
・急性腎䞍党
・重症高アンモニア血症を生じる先倩代謝異垞症
・再発・難治性B现胞性悪性リンパ腫
・党身性硬化症
・膠原病・血管炎に䌎う難治性皮膚朰瘍
・脱毛症
・自閉症
・小児脳性麻痺など脳障害

・歯、倖分泌腺などの立䜓圢成
・軟骚疟患再生治療
・遺䌝性難聎
・味芚の再生
・歯の神経、象牙質の再生
・炎症性腞疟患
・クロヌン病
・1型糖尿病・慢性閉塞性肺疟患COPD
・難治性気胞
・慢性閉塞性肺疟患
・慢性腎臓病
・膀胱機胜障害
・糖尿病
・子宮の再生、再建

もし、「治隓でいいので治療を受けたい」ず垌望する堎合は、「7. 再生医療が受けられる斜蚭」で臚床治隓や臚床詊隓を行っおいる医療機関・研究期間を探す方法を説明したすので、そちらに目を通しおください。

 

参考再生医療等提䟛機関䞀芧各皮申請曞䜜成支揎サむトで登録されおいるもの厚生劎働省

参考再生医療ポヌタル䞀般瀟団法人日本再生医療孊䌚

参考JRCT 臚床研究実斜蚈画・研究抂芁公開システム

参考独立行政法人医薬品医療機噚総合機構ホヌムペヌゞ「新再生医療等補品の承認品目䞀芧」

参考先進医療の抂芁に぀いお厚生劎働省

 

5. 再生医療の皮類

 

 

 

 

 

 

 

4章では再生医療でできる治療の皮類をあげたしたが、実はそれ以倖にも再生医療の分類方法がありたす。

この章ではふた぀の分類を挙げお、簡単に説明しおおきたしょう。

 

5-1. 法埋で定められた治療のリスクによる分類

再生医療はただ新しい医療技術であるため、その治療によっおは人の呜や健康に圱響を䞎える可胜性がありたす。

そこで囜が「再生医療等の安党性の確保等に関する法埋」ずいう法を定めたした。

これにより、以䞋の3段階に分類されおいたす。

分類リスク定矩具䜓䟋
第䞀皮再生医療等技術高人の生呜及び健康に䞎える圱響が明らかでない又は盞圓の泚意をしおも人の生呜及び健康に重倧な圱響を䞎えるおそれがあるこずから、その安党性の確保等に関する措眮その他のこの法埋で定める措眮を講ずるこずが必芁なものずしお厚生劎働省什で定める再生医療等技術ES现胞やiPS现胞を利甚した医療など
第二皮再生医療等技術䞭盞圓の泚意をしおも人の生呜及び健康に圱響を䞎えるおそれがあるこずから、その安党性の確保等に関する措眮その他のこの法埋で定める措眮を講ずるこずが必芁なものずしお厚生劎働省什で定める再生医療等技術第䞀皮再生医療等技術に該圓するものを陀く。䜓性幹现胞を利甚した医療など
第䞉皮再生医療等技術䜎第䞀皮再生医療等技術及び第二皮再生医療等技術以倖の再生医療等技術䜓现胞を加工する医療など

出兞再生医療等の安党性の確保等に関する法埋

「再生医療等の安党性の 確保等に関する法埋に぀いお」厚生劎働省

 

5-2. 利甚される幹现胞の皮類による分類

再生医療に甚いられる幹现胞にも皮類がありたす。

その䞻なものは以䞋の3぀で、どれを利甚する治療であるかによっおも分類が可胜です。

幹现胞の皮類特城
䜓性幹现胞

ヒトの身䜓の䞭に存圚する幹现胞で、限定した分化胜を保有するヒト现胞
䟋えば、造血幹现胞各皮血液现胞に分化するものをいう、神経幹现胞神経现胞又はグリア现胞に分化するものをいう、間葉系幹现胞骚、軟骚、脂肪现胞等に分化するものをいう等

ES现胞

受粟卵を培逊しお埗られる胚盀胞の内郚现胞塊から暹立されたヒト现胞
未分化な状態で自己耇補胜ず倚分化胜を有する

iPS现胞

人工的に倚胜性を誘導されたヒト幹现胞
ヒトES现胞ずほが同様の胜力を持぀

出兞「ヒト幹现胞を甚いる臚床研究に関する指針」厚生劎働省

 

これに぀いおは、次章「6. 再生医療に利甚される䞻な幹现胞3皮」でくわしく説明したすので、そちらも参照しおください。

 

 

参考再生医療等の安党性の確保等に関する法埋

参考「再生医療等の安党性の 確保等に関する法埋に぀いお」厚生劎働省

参考「ヒト幹现胞を甚いる臚床研究に関する指針」平成25幎厚生劎働省告瀺第317号

参考「第10回厚生科孊審議䌚科孊技術郚䌚 ヒト幹现胞を甚いる臚床研究に関する指針の芋盎しに関する専門委員䌚 議事次第」厚生劎働省 「資料ヒト幹现胞の定矩䞭畑委員提出」

 

6. 再生医療に利甚される䞻な幹现胞3çš®

 

 

 

 

 

 

 

再生医療は、幹现胞の「自己耇補胜」ず「倚分化胜」を利甚しお、組織や臓噚の再生をはかる医療ですが、その際に甚いられる幹现胞は1皮類ではありたせん。

珟圚では䞻に、

 

・䜓性幹现胞

・ES现胞

・iPS现胞

 

の3皮を甚いる方法がありたす。

䞭でも「iPS现胞」は、珟・京郜倧孊iPS现胞研究所所長である山䞭䌞匥教授が䞖界ではじめおこの现胞の䜜補に成功し、2012幎にノヌベル生理孊・医孊賞を受賞したこずで䞀躍泚目を济びたした。

 

これら3皮にはそれぞれ特長、メリット・デメリットがありたす。

以䞋の衚に簡単にたずめたしたので、芋おください。

䜓性幹现胞
成䜓幹现胞、組織幹现胞

ES现胞
胚性幹现胞

iPS现胞
䜜補方法

ヒトの身䜓に自然に存圚する
人工的に䜜補する必芁はない

受粟卵が数回分裂したあずの现胞のかたたり「胚」から现胞を取り出し、培逊する

ヒトの皮膚や血液などの现胞に、特定の4぀の遺䌝子を導入しお培逊する

特長・胜力

特定の皮類の现胞に分化が可胜
分裂回数には限りあり

すべおの皮類の现胞に分化が可胜倚胜性幹现胞
分裂回数はほが無限

すべおの皮類の现胞に分化が可胜倚胜性幹现胞
分裂回数はほが無限

移怍の適合性患者自身の现胞を甚いるので、免疫拒絶反応が起こらない他人の现胞から䜜られるため、免疫拒絶反応が起こるリスクがある他人の现胞からも患者自身の现胞からも䜜るこずができ、免疫拒絶反応が起こるリスクは䜎い
倫理的な問題患者自身の现胞を甚いるので、問題はない受粟卵を䜿うため、ヒトの呜に操䜜を加えるこずが問題芖される皮膚や血液などありふれた现胞を甚いるので、問題はない
臚床䞊の課題

・䜓内に存圚する数が少ない
・䜓倖で増殖、維持するのが難しい

・腫瘍化、がん化のリスクがある

・腫瘍化、がん化のリスクがある
・性質が安定しない

臚床の珟状珟圚䞀般的に実斜されおいる幹现胞を利甚した再生医療は、基本的には䜓性幹现胞を甚いたもの

海倖で臚床詊隓あり
日本では2019幎に初の治隓を実斜

2014幎に日本で䞖界初の臚床手術を実斜

では、3皮それぞれに぀いおくわしく説明したしょう。

 

6-1. 䜓性幹现胞

䜓性幹现胞は、私たち「ヒト」の身䜓の䞭に自然に存圚する幹现胞で、造血幹现胞、脂肪幹现胞、衚皮幹现胞、神経幹现胞などの皮類がありたす。

幹现胞なので自己耇補胜ず倚分化胜を持っおいたすが、その胜力は限定的です。

それぞれの幹现胞が分化できる现胞の皮類は限られおおり、分裂できる回数にも限りがありたす。

 

䞻な幹现胞が分化できる现胞は以䞋の通りです。

 

・造血幹现胞骚髄の䞭に存圚し、癜血球、赀血球、血小板など血液现胞に分化する

・脂肪幹现胞脂肪組織の䞭に存圚し、さたざたな现胞に分化できる

・衚皮幹现胞肌の衚皮に存圚し、皮膚を䜜る衚皮角化现胞を䜜り出す

・間葉系幹现胞骚髄、脂肪組織、胎盀組織や臍垯組織などさたざたな組織から採取でき、間葉系に属する现胞骚芜现胞、脂肪现胞、筋现胞、軟骚现胞などに分化する

 

再生医療で利甚される際には、患者自身の身䜓から採取した䜓性幹现胞を䜓倖で培逊し、患者の身䜓に移怍するため、免疫拒絶反応が起こらないずいう倧きなメリットがありたす。

珟圚䞀般的に行われおいる幹现胞を甚いた再生医療は、基本的にはこの䜓性幹现胞による治療です。

 

6-2. ES现胞

ES现胞は、受粟卵が6〜7日経っお数回分裂しおできる「胚」から现胞を取り出し、それを培逊するこずで人工的に䜜られる「倚胜性幹现胞」のひず぀です。

1981幎にはじめおのマりスES现胞が䜜られたした。

発生初期の胚から䜜られるため未分化で、受粟卵に近い高い自己耇補胜、倚分化胜を持っおいるのが特長です。

人間の身䜓のあらゆる組織の现胞に分化するこずができ、分裂回数もほが無限であるため「䞇胜现胞」ずも呌ばれおいたす。

1998幎にアメリカのチヌムがヒトES现胞の䜜補に成功するず、2007幎に京郜倧孊の山䞭䌞匥教授によるヒトiPS现胞が登堎するたで、再生医療の䞭心ず担う幹现胞ずしお期埅を集めおいたした。

 

ただ、䞇胜现胞である反面、倧きな課題も抱えおいたす。

ひず぀は、胚から䜜られるため、患者は他人の现胞を移怍されるこずになるずいう点です。

自家移怍である䜓性幹现胞治療に察しお、ES现胞は他家移怍であるため、免疫拒絶反応を匕き起こすリスクが避けられたせん。

 

さらに、材料ずなるのが「胚」であるこずも問題芖されおいたす。

胚はこれから分裂を繰り返せば、やがお生物になるはずのものです。

぀たり「呜の萌芜」ずも蚀えるもので、それを壊しおES现胞を䜜るこずは倫理的に問題なのではないか、ず議論が巻き起こったのです。

 

ヒトES现胞の材料ずなる胚は、䞍劊治療の際に必芁なくなったもので、ドナヌの同意も受けおいたすが、それでもこの議論は根匷く、ES现胞の臚床応甚が進たない䞀因ずなっおいたす。

 

6-3. iPS现胞

iPS现胞は、ヒトの皮膚や血液などの现胞から人工的に䜜られる「倚胜性幹现胞」です。

ヒトの身䜓のあらゆる现胞に分化するこずができ、分裂回数もほが無限の「䞇胜现胞」であるこずは、ES现胞ず同様です。

 

が、未分化の现胞から䜜られるES现胞ずは異なり、iPS现胞は分化枈みの成熟现胞を材料ずしおいたす。

採取した成熟现胞に特定の遺䌝子4぀を取り蟌たせるこずで、未分化の幹现胞だった状態に初期化リプログラミングするこずができるのです。この4぀の遺䌝子は、発芋者の山䞭教授の名を冠しお「ダマナカファクタヌ」ず呌ばれおいたす。

 

iPS现胞は、ES现胞の抱えるふた぀の課題を解決する存圚ずしお泚目を集めたした。

たず、自家移怍ができるので、免疫拒絶反応のリスクは䜎くなりたす。

そしお、ヒトの成䜓から採取した现胞で䜜るので、倫理的な問題もありたせん。

 

ただ発芋から日が浅く、品質が安定しない、がん化のリスクがあるなど課題はいろいろずありたすが、今埌の臚床詊隓に期埅が集たっおいたす。

 

参考「身䜓のはじたりを知る―幹现胞のはなし―」小川亜垌子生物工孊䌚誌 第94巻第5号、2016幎

参考「iPS 现胞の可胜性ず今埌の課題」高橋 政代孊術の動向 第14巻第8号、2009幎

参考「再生医療の珟状ず問題点」䞭畑韍俊炎症・再生 第24巻第2号、2004幎

参考「『臚床応甚』における幹现胞の特城 比范」厚生劎働省

参考「先倩性尿玠サむクル異垞症でヒトES现胞を甚いた治隓を実斜―ヒトES现胞由来の肝现胞のヒトぞの移怍は、䞖界初―」囜立成育医療研究センタヌ 日本医療研究開発機構

 

7. 再生医療が受けられる斜蚭

 

 

 

 

 

 

では、「再生医療を受けたい」ず垌望する堎合、どの医療機関で治療が受けられるのでしょうか

実は、前述した「再生医療等の安党性の確保等に関する法埋」ずいう法埋により、再生医療を行う医療機関・研究機関は、厚生劎働省に届出をしお受理されなければならないず定められおいるのです。

 

䞭には無届けで再生医療を行う病院があっお、過去には医倧のスタッフが逮捕された䟋もありたした。

そこでたず第䞀に、「厚生劎働省に届出をしおいる医療機関・研究機関であるか」を確認する必芁がありたす。

 

これに぀いおは、厚生劎働省が「再生医療等提䟛機関䞀芧」ずしおリストを公開しおいたすので、こちらで確認しおください。

ただこの䞀芧は、再生医療のリスク分類にしたがっお、

 

◎第1皮の研究を行っおいる機関・治療を行っおいる機関

◎第2皮の研究を行っおいる機関・治療を行っおいる機関

◎第3皮の研究を行っおいる機関・治療を行っおいる機関

 

ずいう6分類で掲茉されおいるだけで、疟患別や地域別などの怜玢ができたせん。

 

怜玢したい堎合は、日本再生医療孊䌚が開蚭しおいるポヌタルサむト「再生医療ポヌタル」の「提䟛機関をさがす」ペヌゞがありたす。

地域、蚺療科、治療法、病名、郚䜍などで怜玢するこずができるので䟿利です。

ただし、ここに掲茉されおいる機関は、

 

◟自由蚺療を行う医療機関

◟臚床研究を行う医療機関

 

に限られるので、厚生劎働省のリストず補完しながら利甚するずいいでしょう。

 

8. 再生医療の費甚ず保険適甚

 

 

 

 

 

 

 

再生医療を受けられる医療機関が芋぀かったら、次に気になるのは費甚ですよね。

残念ながら、珟圚では保険適甚が認められおいる再生医療は倚くはありたせん。

「4-1 珟圚受けられる再生医療」の衚の䞭で、「囜の承認を受けおいる治療」ずしお挙げられおいるものだけです。

それ以倖は、

 

◟「先進医療」ずしお認められおいる治療の堎合、䞀郚保険適甚、再生医療にあたる郚分は党額自己負担

◟自由蚺療の堎合、党額自己負担

 

ずなり、高額の医療費が必芁ずなるのです。

自由蚺療の費甚は医療機関によっお異なるため、各病院・クリニックに問い合わせたしょう。

 

これに぀いおもくわしくは別蚘事「再生医療で受けられる治療の皮類は保険適甚から研究䞭のものたで解説」に解説がありたすので、参照しおください。

 

9. たずめ

いかがでしたか

あなたが再生医療に぀いお知りたいこずはひず通りわかったかず思いたす。

では最埌に、蚘事の芁点をたずめおみたしょう。

 

◎再生医療ずは「幹现胞による根本治療」

◎再生医療に利甚される幹现胞は䞻に3çš®

・䜓性幹现胞

・ES现胞

・iPS现胞

◎珟圚、保険蚺療で受けられる再生医療もある

 

この蚘事を参考に、あなたが安党で効果的な再生医療を受けられるよう願っおいたす。

 

- コメント -