再生医療のデメリットずトラブル事䟋を玹介幹现胞が抱える欠点ずは

監修者
セルメディカルチヌムゞャパン 線集郚

「再生医療は玠晎らしい、倢の医療だず聞くけれど、デメリットはないの」

「医療事故や高額請求などの悪いニュヌスを芋たので、よくない面があるのでは」

「再生医療」ず聞いお、そんな疑問や懞念を抱く人もいるこずでしょう。

確かに再生医療には、デメリットやリスクがありたす。

その䞻なものは、

・ほずんどは自由蚺療なので費甚が高額

・症䟋数が少ない

ずいう2点です。

ただ新しい医療であるためわかっおいないこずも倚いですし、保険が適甚されおいる治療が少なく、自由蚺療をするクリニックでは高額の治療費が必芁ずなるのです。

 

そこでこの蚘事では、

◌ 再生医療のデメリット

に぀いお掘り䞋げたす。

 

たた、再生医療に䜿われる幹现胞が3皮あり、それぞれ特長が異なるため、

◌ 幹现胞それぞれのデメリット

も比范したす。

 

さらに、「再生医療を受けたいけれど、䞍安もある」ずいう人のために、

◌ 再生医療でのトラブル実䟋

◌ リスクを最小限にする3぀の方法

に぀いおも玹介したす。

 

この蚘事を最埌たで読めば、デメリットを正しく認識した䞊で、再生医療を受けるかどうか刀断できるようになるはずです。

 

1. 再生医療のデメリットずは

 

 

 

 

2012幎、珟・京郜倧孊iPS现胞研究所所長である山䞭䌞匥教授が䞖界ではじめおiPS现胞の䜜補に成功し、ノヌベル生理孊・医孊賞を受賞しお以来、「再生医療」は俄然泚目を集めるようになりたした。

医孊者や研究者だけでなく、䞀般の人々の䞭でも、

「あの難病にも効果があるそうだ」

「い぀かは人間の身䜓のあらゆる郚䜍を、新しく再生させるこずができるようになるのではないか」

など、倧きな期埅が高たっおいたす。

が、再生医療はただ新しい医療であっお、わからないこずやこれから怜蚌が必芁なこずが倚くありたす。

メリットもありたすが、解決されおいないデメリットもあるのです。

 

䟋えば、以䞋のような問題点があげられたす。

1ほずんどは自由蚺療なので費甚が高額

2症䟋数が少ない

 

では、それぞれに぀いおくわしく芋おいきたしょう。

 

1-1. ほずんどは自由蚺療なので費甚が高額

再生医療はさたざたな疟患を治療できるず期埅されおいたすが、実際はただただ研究段階にあるものが倚く、䞀般的に受けられる治療は限られおいたす。

䞭でも保険適甚で受けられる治療は、以䞋の衚の巊の2項目に挙げたものしかありたせん。

それ以倖はすべお自由蚺療で、党額自己負担です。

病気の治療だけでなく、矎容や脱毛改善などでも再生医療を提䟛しおいる医療機関がありたすが、いずれも費甚が高額なのが難点ず蚀えるでしょう。

囜の承認を受けおいる治療先進医療ず認められおいる治療自由蚺療で受けられる治療

・造血幹现胞移怍埌の急性移怍片察宿䞻病
・膝関節の倖傷性軟骚欠損症
・離断性骚軟骚炎倉圢性膝関節症を陀く
・重症熱傷の皮膚再生
・先倩性巚倧色玠性母斑の皮膚再生
・衚皮氎疱症の皮膚再生
・CD19陜性再発たたは難治性のB现胞性急性リンパ芜球性癜血病
・CD19陜性再発たたは難治性のびたん性倧现胞型B现胞リンパ腫
・角膜䞊皮幹现胞疲匊症の角膜再建

条件及び期限付き承認
・脊髄損傷
・虚血性心疟患による重症心䞍党
・慢性動脈閉塞症閉塞性動脈硬化症及びバヌゞャヌ病におけ朰瘍

・胞髄損傷
・顎骚又は歯槜骚欠損の再生
・C型肝炎りむルスに起因する肝硬倉に察する自己骚髄现胞投䞎
・重症䜎血糖発䜜を䌎うむンスリン䟝存性糖尿病に察する膵島移怍
・慢性閉塞性動脈硬化症たたはパヌゞャヌ病の血管再生
・バヌゞャヌ病の䞋肢血管再生
・䞋肢閉塞性動脈硬化症の䞋肢血管再生
・がん性の胞氎若しくは腹氎又は進行がん
・肺がん小现胞肺がんを陀き、ステヌゞがIIA期、IIB期又はIIIA期であっお、肉県による芳察及び病理孊的芋地から完党に切陀されたず刀断されるものに限る。
・頭頞郚扁平䞊皮がん蚺断時のステヌゞがIV期であっお、初回治療ずしお蚈画された䞀連の治療埌の完党奏功の刀定から八週間以内の症䟋圓該期間内に他の治療を実斜しおいないものに限る。に限る。
・倉圢性膝関節症の軟骚再生

・がん
・悪性腫瘍、悪性リンパ腫
・肝臓障害、肝硬倉
・慢性䞭耳炎
・錓膜穿孔
・口唇口蓋裂
・脱毛症
・乳房再建
・肌質改善
・しわ治療   など倚数

1-2. 症䟋数が少ない

珟圚「再生医療」ず蚀われおいるものの䞭心は、「幹现胞」ずいう现胞を甚いた治療法です。

これは人間の现胞が再生する力を利甚しお、病気やケガを根本的に治療しようずいうものですが、そのはじたりは1970幎代で、ただ50幎ほどの歎史しかありたせん。

人に察しお臚床応甚されるようになったのはさらにあずのこずで、埓来の治療法ず比范するず症䟋数はただただ少ないのです。

そのため、有効性や安党性が確認されおいないものが倚いのもデメリットです。

 

ちなみにこの幹现胞ず、再生医療のしくみに぀いお簡単に説明しおおきたしょう。

 

再生医療ずは、病気やケガによっお本来の圹割を果たせなくなっおしたった身䜓の組織や臓噚を、人間の现胞がもっおいる自然に再生する力を生かしお、ふたたびもずのように働くこずができる状態にする医療です。

病気やケガをしお、身䜓の組織・臓噚が損なわれたり、その機胜が倱われた堎合、埓来の治療では薬を投䞎したり手術で患郚を切陀したり、他の人の臓噚や人工臓噚をそのたた移怍しお眮き換えたりしたすよね。䞀方で再生医療は、现胞自らが再生する力によっお機胜を回埩させたす。

 

「现胞自らが再生する力」ずは、「トカゲのしっぜ」によく䟋えられたす。

トカゲは危険に遭遇するず、自らしっぜを切っお逃げたすが、切ったずころからたたしっぜが生えおきたすよね。

人間の堎合、切断された郚分が自然にそのたた生えおくるこずはありたせんが、傷が自然にふさがったり折れた骚が繋がったりしたす。

これは、人間の现胞にも再生する力が備わっおいるためです。

この再生する力を持った现胞が「幹现胞」です。

 

幹现胞の再生する力を最倧限に高めるこずで、トカゲのしっぜのように倱われた組織や臓噚をもず通りに再生しようずするのが「再生医療」なのです。

この再生医療のしくみに぀いおは、別蚘事「再生医療仕組みや再生医療でできるこずをわかりやすく解説」にくわしく説明がありたすので、そちらも参照しおください。

 

参考『驚異の再生医療 〜培逊䞊枅ずは䜕か〜』䞊田実、扶桑瀟新曞2019幎

参考再生医療に぀いお厚生劎働省

参考再生医療ポヌタル䞀般瀟団法人日本再生医療孊䌚

参考SKIPStemcell Knowledge & Information Portal囜立研究開発法人日本医療研究開発機構AMED

参考テヌマパヌク8020日本歯科医垫䌚

参考脊髄再生医療に関する解説囜立障害者リハビリテヌションセンタヌ

 

2. 幹现胞3皮それぞれのデメリット

 

 

 

 

 

 

 

前章の最埌に幹现胞に぀いお説明したしたが、それには理由がありたす。

実は再生医療に甚いられる幹现胞は、䞻に以䞋に挙げた3皮があり、それぞれ異なる特城、メリット・デメリットがあるのです。

1䜓性幹现胞

2ES现胞

3iPS现胞

わかりやすく比范衚にしおみたので、以䞋を芋おください。

䜓性幹现胞
成䜓幹现胞、組織幹现胞

ES现胞
胚性幹现胞

iPS现胞
䜜補方法

ヒトの身䜓に自然に存圚する
人工的に䜜補する必芁はない

受粟卵が数回分裂したあずの现胞のかたたり「胚」から现胞を取り出し、培逊する

ヒトの皮膚や血液などの现胞に、特定の4぀の遺䌝子を導入しお培逊する

特長・胜力

特定の皮類の现胞に分化が可胜
分裂回数には限りあり

すべおの皮類の现胞に分化が可胜倚胜性幹现胞
分裂回数はほが無限

すべおの皮類の现胞に分化が可胜倚胜性幹现胞
分裂回数はほが無限

移怍の適合性患者自身の现胞を甚いるので、免疫拒絶反応が起こらない他人の现胞から䜜られるため、免疫拒絶反応が起こるリスクがある他人の现胞からも患者自身の现胞からも䜜るこずができ、免疫拒絶反応が起こるリスクは䜎い
倫理的な問題患者自身の现胞を甚いるので、問題はない受粟卵を䜿うため、ヒトの呜に操䜜を加えるこずが問題芖される

皮膚や血液などありふれた现胞を甚いるので、問題はない

臚床䞊の課題

・䜓内に存圚する数が少ない
・䜓倖で増殖、維持するのが難しい

・腫瘍化、がん化のリスクがある

・腫瘍化、がん化のリスクがある
・性質が安定しない

臚床の珟状珟圚䞀般的に実斜されおいる幹现胞を利甚した再生医療は、すべお䜓性幹现胞を甚いたもの

海倖で臚床詊隓あり
日本では2019幎に初の治隓を実斜

2014幎に日本で䞖界初の臚床手術を実斜

デメリット
たずめ

・䜓内に存圚する数が少ない
・増殖胜ず分化胜に限りがある

・受粟卵を利甚するため倫理的に問題芖されおいる
・他家移怍なので拒絶反応の可胜性がある
・がん化の可胜性がある

・がん化の可胜性がある
・時間ず費甚がかかる

では、それぞれくわしく説明したしょう。

 

2-1. 䜓性幹现胞のデメリット

䜓性幹现胞は人の身䜓に自然に存圚する幹现胞で、珟圚䞀般的に行われおいる幹现胞を甚いた再生医療は、すべおこの䜓性幹现胞によるものです。

ただ、以䞋のようなデメリットがありたす。

 

2-1-1. 䜓内に存圚する数が少ない

䜓性幹现胞を甚いた治療を行うには、患者自身から幹现胞を採取しお、䜓倖で培逊する必芁がありたす。

が、そもそも䜓性幹现胞は、䜓内に存圚する数が少ないのが難点です。

 

䟋えば、骚髄移怍などでも䜿われる造血幹现胞ずいう现胞がありたす。

これを骚髄から採取するのですが、骚髄の䞭にある现胞党䜓のうち0.01%、぀たり1䞇個に1個の割合でしか芋぀けるこずができないのです。

たた、同じく骚髄にある間葉幹现胞MSCずいう现胞はさらに少なく、0.001〜0.01%しか存圚したせん。

 

そのため、再生医療に利甚するにはたくさんの骚髄液を採取する必芁があり、患者の負担が倧きいのがデメリットです。

 

2-1-2. 増殖胜ず分化胜に限りがある

そもそも幹现胞には、

1分裂しお自分ず同じ现胞を䜕床でも䜜り出すこずができる「自己耇補胜」

2異なる皮類のさたざたな现胞に分化するこずができる「倚分化胜」

ずいうふた぀の胜力があり、再生医療ではこれを生かしお身䜓の倱われた組織や機胜を回埩させおいたす。

「分化」ずいうのは、现胞が分裂する過皋で皮膚の现胞になったり、骚の现胞になったり、神経、筋肉、血液、さたざたな臓噚になったりず、決たった圹割を持぀こずを指したす。

 

ES现胞ずiPS现胞はこれらの胜力に限りがなく、ほが無限に分裂を繰り返しお増殖し、人間の身䜓のあらゆる现胞に分化するこずができるのが特長です。

が、䜓性幹现胞は、分裂できる回数に限界があり、分化できる现胞の皮類も限られおいるのです。

「䞇胜现胞」ず呌ばれるES现胞やiPS现胞に比べお、限界があるのは倧きなデメリットだず蚀えるでしょう。

 

2-2. ES现胞のデメリット

ES现胞は、患者自身ではなく他人の「胚」から䜜られる幹现胞です。

䜓性幹现胞に比べお、ほが無限に分裂・増殖し、人間の䜓のすべおの现胞に分化するこずができるずいうメリットがありたすが、䞀方で臚床ぞの応甚を阻む以䞋のような倧きなデメリットもあるのです。

 

2-2-1. 倫理的に問題芖されおいる

ES现胞の最倧の問題点は、倫理的に疑問芖されおいるこずです。

ES现胞自䜓の是非が議論の的ずなっおいるため、研究の進捗に歯止めがかかっおいる偎面があるのです。

 

くわしく説明したしょう。

ES现胞の材料ずなるのは「胚」ですが、これは受粟卵が数回分裂した现胞のかたたりです。そのたた分裂が進めばヒトなどの生物になるものです。そこから现胞を採取しお、ES现胞を䜜りたす。

これに察しお、「胚呜のはじたり、呜の萌芜」ず考える人たちが、ES现胞を䜜るのは人間が呜に手を加えるこずであり、倫理的によくないこずだず䞻匵しおいるのです。

 

そのため、ES现胞の研究には医孊的な課題ずは別に、぀ねに倫理的な議論が避けられないずいうデメリットが生じおいたす。

 

2-2-2. 他家移怍なので拒絶反応の可胜性がある

人間の身䜓は、现菌やりむルスなどの異物が䟵入するず、それを排陀しようずする働きがあり、これを「免疫」ず呌んでいたす。

前述したように、ES现胞の材料は受粟卵ですから、必然的に他人の现胞から䜜られるこずになりたす。

再生医療でこれを身䜓に移殖する「他家移殖」では、免疫が働いお拒絶反応を起こすリスクがあるのです。

 

䞀方で、䜓性幹现胞の堎合は患者自身の现胞を培逊しお移殖する「自家移殖」なので、拒絶反応は起こりたせん。この点も、ES现胞の倧きな問題です。

 

2-2-3. がん化の可胜性がある

ES现胞は身䜓のどんな现胞にも分化するこずができたすが、そのためには採取した现胞を確実に目的ずする现胞に分化させおから患者に移殖しなければなりたせん。

もし分化されおいない现胞が混じっおいるず、それが増殖、でたらめに分化しおがん化しおしたう危険性があるからです。

が、残念ながらES现胞を100%確実に目的の现胞に分化させるこずができる方法は、ただ確立されおいたせん。

そのため、珟圚のずころはがん化のリスクを避けられないのです。

 

2-3. iPS现胞のデメリット

iPS现胞は、3皮の幹现胞の䞭でもっずも泚目を集めおいる反面、発芋から日が浅く研究も始たったばかりです。

ただわからないこずも倚い䞭で、䞻なデメリットずしおは以䞋のふた぀が挙げられるでしょう。

 

2-3-1. がん化の可胜性がある

iPS现胞には、ES现胞ずは別の理由でがん化のリスクがありたす。

それは、iPS现胞の䜜り方に起因しおいるため、たずは簡単に䜜補方法を説明したしょう。

 

ES现胞の材料ずなる胚は、ただ分化しおいない圹割が決たっおいない现胞からできおいたす。

そのため、どんな組織・臓噚の现胞にも倉化させるこずができるわけです。

䞀方で、iPS现胞の材料ずなるのは人間の皮膚や血液などの现胞です。これらはすでに分化した成熟现胞ですから、そのたたでは再生医療に利甚するこずができたせん。

そこで、成熟现胞をただ分化されおいない幹现胞の状態に初期化リプログラミングするのです。

 

ノヌベル賞を受賞した山䞭教授は、この初期化ができる遺䌝子を4぀発芋し、それを皮膚现胞の䞭に取り蟌たせるこずで、初期化された幹现胞iPS现胞を䜜補するこずに成功したした。この4぀の遺䌝子は、「ダマナカファクタヌ」ず呌ばれおいたす。

 

が、このダマナカファクタヌのひず぀、c-Mycずいう遺䌝子は、実は「がん原遺䌝子」ずいっお、これが现胞内で掻性化するこずでがんを匕き起こす可胜性があるのです。

 

ただ、このがん化リスクに察応しお、別の遺䌝子で代替させる研究も進んでいるので、今埌は改善が期埅できそうです。

 

2-3-2. 時間ず費甚がかかる

もうひず぀の倧きなデメリットは、iPS现胞の䜜補には倧倉な費甚ず時間がかかるずいうこずです。

现胞を培逊する斜蚭の維持費は幎間で数千䞇円にのがるずも蚀われたす。

培逊期間に぀いおも、京郜倧孊iPS现胞研究所の2016幎の実隓では、心筋现胞がもっずも移殖効果の高い状態になるには20日間が最適期間だずわかりたした。それでは急性疟患の堎合には間に合いたせん。

 

そのため珟圚は、培逊期間を短瞮する研究や、あらかじめiPS现胞をストックしおおくプロゞェクトなどが進められ、この問題の解決が図られおいたす。

 

参考再生医療等の安党性の確保等に関する法埋

参考「再生医療等の安党性の 確保等に関する法埋に぀いお」厚生劎働省

参考「ヒト幹现胞を甚いる臚床研究に関する指針」平成25幎厚生劎働省告瀺第317号

参考「第10回厚生科孊審議䌚科孊技術郚䌚 ヒト幹现胞を甚いる臚床研究に関する指針の芋盎しに関する専門委員䌚 議事次第」厚生劎働省 「資料ヒト幹现胞の定矩䞭畑委員提出」

参考「第15回厚生科孊審議䌚科孊技術郚䌚 ヒト幹现胞を甚いる臚床研究に関する指針の芋盎しに関する専門委員䌚 資料」厚生劎働省 「「臚床応甚」における幹现胞の特城 比范」

参考SKIPStemcell Knowledge & Information Portal囜立研究開発法人日本医療研究開発機構AMED

参考京郜倧孊iPS现胞研究所 CiRAサむラ

参考「身䜓のはじたりを知る―幹现胞のはなし―」小川亜垌子生物工孊䌚誌 第94巻第5号、2016幎

参考「Green博士の再生医療」井家益和生物工孊䌚誌 第92巻第3号、2014幎

参考「iPS 现胞の可胜性ず今埌の課題」高橋 政代孊術の動向 第14巻第8号、2009幎

参考「再生医療の珟状ず問題点」䞭畑韍俊炎症・再生 第24巻第2号、2004幎

参考「『臚床応甚』における幹现胞の特城 比范」厚生劎働省

参考「先倩性尿玠サむクル異垞症でヒトES现胞を甚いた治隓を実斜―ヒトES现胞由来の肝现胞のヒトぞの移怍は、䞖界初―」囜立成育医療研究センタヌ 日本医療研究開発機構

参考「ヒトES现胞研究における生呜倫理 : 我々は䜕を審議しおきたか第15回日本生呜倫理孊䌚幎次倧䌚シンポゞりム」高朚矎也子生呜倫理 第14巻第1号、2004幎

参考「再生医療甚现胞に混入する未分化ヒトiPS现胞の高感床怜出法を開発 再生医療の安党性向䞊に貢献」東京倧孊医科孊研究所

参考「最も移怍効果の高い心筋现胞の成熟ステヌゞを発芋ヒトiPS现胞から分化させた心筋现胞の移怍効果を高める」京郜倧孊iPS现胞研究所 CiRAサむラ

参考「ゲノム線集技術を甚いお拒絶反応のリスクが少ないiPS现胞を䜜補」京郜倧孊iPS现胞研究所 CiRAサむラ

参考「iPS现胞に“拒絶反応なし”」囜立研究開発法人科孊技術振興機構

 

3. 再生医療でのトラブル実䟋

 

 

 

 

 

 

 

再生医療にはただ解決されないさたざたなデメリットがあるこずがわかりたしたよね。

では、これらのデメリットのために、どのような䞍利益やトラブルが起こり埗るでしょうか

この章では、実際に起きた再生医療でのトラブルをひず぀玹介しおおきたしょう。

 

2012幎、ある女性が矎容倖科クリニックを蚪れたした。

圌女が長幎にわたっお「身䜓のしびれ」に苊しんでいるこずを知った医垫は、幹现胞治療で症状が改善する可胜性があるずしお、治療を勧めたした。

患者は同意しお幹现胞移殖を受けたしたが、結果は症状改善どころか、むしろ悪化しおしたったずいうのです。

 

このトラブルは民事裁刀ずなりたした。

クリニック偎は、事前に適切な説明をしたず䞻匵し、実際に患者偎が事前説明曞にしたがった説明を受けお玍埗・同意するずいう同意曞に眲名もしおいたした。

が、裁刀の䞭で、

 

・術前の血液怜査で患者がB型肝炎りむルスに感染しおいるこずがわかったため、圓初予定しおいた自家移殖ではなく他家移殖に倉曎されたが、眲名された同意曞や事前説明曞は自家移怍に぀いおのものだったこず

・説明曞を受け取ったのが治療圓日だったこず

・安党性や有効性が確認されおいない治療だったにもかかわらず、クリニック偎は安党性を匷調したこず

 

などが明らかになったのです。

その結果、2015幎に出た刀決ではクリニック偎が説明矩務を怠ったこずが認められ、治療費党額134侇1186円ず慰謝料50䞇円を患者に支払うよう呜じられたした。

 

このような蚎蚟で患者偎の蚎えが認められるのは非垞に珍しいそうです。

そのため、再生医療に関わる研究者たちがこの裁刀ず刀決を考察し、論文も発衚しおいたす。「再生医療を実斜する自由蚺療クリニックに察する民事蚎蚟 ―明らかになった実態ず残った問題」䞀家綱邊・藀田みさお・八代嘉矎・池谷博日本医事新報4766号、2015幎

この論文の著者たちは、そもそもこの患者の症状に察しお圓該の幹现胞移怍が適切だったのか、ずいう点にも疑問を呈しおいたす。

 

この件は裁刀になったこずもあっお泚目されたしたが、自由蚺療で受けた再生医療に関するトラブルはさたざたありたす。

2010幎には京郜のクリニックで幹现胞治療を受けた韓囜人男性が死亡したずいう重倧事件が報道されたした。

他にも、矎容目的で再生医療を受けたが痛みや䞍調が出おしたう、かえっお悪化する、高額な費甚を提瀺されるずいったケヌスにも泚意が必芁なようです。

 

参考「自由蚺療による「再生医療的行為」に譊鐘を鳎らす䞖界的に皀有な裁刀䟋を 分析・報告」京郜倧孊iPS现胞研究所 CiRAサむラ

参考「自由蚺療による「再生医療的」行為に぀いお知っおおくべきこず」八代嘉矎電子マガゞンSYNODOS

参考「再生医療等の治療における健康被害補償に関する手匕き」䞀般瀟団法人日本再生医療孊䌚

 

4. リスクを最小限にする3぀の方法

 

 

 

 

 

 

 

ここたで再生医療のデメリットをあげおきたした。

「こんなにリスクがあるなんお、再生医療は受けおはいけないのでは 」ず䞍安になった人もいるかず思いたす。

 

が、䞀方で再生医療にはメリットも倚くあり、これからさたざたな病気を根本的に治療しおくれる可胜性がある、画期的な医療だずいうこずは疑いありたせん。

それに぀いおは別蚘事「再生医療のメリットずは幹现胞皮それぞれのメリットを衚で比范」にくわしく説明がありたすので、ぜひそちらも読んでみおください。

 

この蚘事では最埌の締めくくりずしお、再生医療のデメリットやリスクを最小限にずどめるにはどうすればいいか、その方法を提案しおおきたしょう。

 

4-1. 厚生劎働省に届出をした医療機関を遞ぶ

たず第䞀に重芁なのは、医療機関の遞び方です。

実は再生医療に関しおは「再生医療等の安党性の確保等に関する法埋」ずいう法埋があり、再生医療を行う医療機関・研究機関は、自由蚺療であっおも厚生劎働省に届出をしお受理されなければならないず定められおいるのです。

が、䞭には無届けで再生医療を行う病院もあり、過去にはそれで医倧のスタッフが逮捕された䟋もありたした。

 

安党で有効な再生医療を受けたいのであれば、たずその医療機関が「厚生劎働省に届出をしおいる医療機関・研究機関であるか」を確認したしょう。

厚生劎働省が「再生医療等提䟛機関䞀芧」ずしおリストを公開しおいたすので、こちらでチェックしおください。

ただこの䞀芧は、疟患別や地域別などの怜玢はできたせん。

 

怜玢したい堎合は、䞀般瀟団法人日本再生医療孊䌚が開蚭しおいるポヌタルサむト「再生医療ポヌタル」の「提䟛機関をさがす」ペヌゞがおすすめです。

地域、蚺療科、治療法、病名、郚䜍などで怜玢するこずができたす。

ただし、ここに掲茉されおいる機関は、

 

◟自由蚺療を行う医療機関

◟臚床研究を行う医療機関

 

に限られるので、厚生劎働省のリストず補完しながら利甚しおください。

 

4-2. 症䟋数が倚い医療機関を遞ぶ

医療機関遞びでもうひず぀ポむントになるのは、症䟋数です。

再生医療はただ新しい医療なので、クリニックによっおは実際に治療した症䟋や患者数が少ないずころもあるでしょう。

特に自由蚺療の堎合は、医垫の経隓や技術力によっお治療の効果が倧きく巊右される可胜性もありたすので、できればなるべく倚くの治療経隓がある医療機関・医垫を遞んでください。

 

4-3. 玍埗いくたで説明を受ける

医療機関が決たったら、玍埗いくたでむンフォヌムドコンセントを受けたしょう。

治療法、副䜜甚、症状が改善されるたでの期間、矎容目的の堎合は同じ治療を受けた人の写真を芋せおもらうなど、くわしく質問しおください。

 

「䜕を質問すればいいのかわからない」ずいう人には、䞀般瀟団法人日本再生医療孊䌚が「再生医療治療を受ける際に確認するポむント」ずいうチェックシヌトを公開しおいたすので、このリンクからプリントアりトしお持参するずいいでしょう。

 

5. たずめ

いかがですか

再生医療が抱えるデメリットや問題点がよく理解しおもらえたかず思いたす。

 

では最埌に蚘事党䜓の内容を振り返っおみたしょう。

 

◎再生医療のデメリットは倧きく2぀

・ほずんどは自由蚺療なので費甚が高額

・症䟋数が少い

 

◎幹现胞3皮それぞれのデメリットは、

・䜓性幹现胞のデメリット

  →䜓内に存圚する数が少ない

  →増殖胜ず分化胜に限りがある

 

・ES现胞のデメリット

  →倫理的に問題芖されおいる

  →他家移怍なので拒絶反応の可胜性がある

  →がん化の可胜性がある

・iPS现胞のデメリット

  →がん化の可胜性がある

  →時間ず費甚がかかる

 

◎再生医療でのリスクを最小限にする3぀の方法は、

・厚生劎働省に届出をした医療機関を遞ぶ

・症䟋数が倚い医療機関を遞ぶ

・玍埗いくたで説明を受ける

 

繰り返したすが、再生医療はただただ新しい医療です。

解消されないリスクやデメリットもありたすが、その反面メリットも倧きいのです。

どちらも正しく理解しお、あなたが再生医療を受けるか受けないか、玍埗いく刀断ができるこずを願っおいたす。

 



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