再生医療で受けられる治療の皮類は保険適甚から研究䞭のものたで解説

監修者
セルメディカルチヌムゞャパン 線集郚

「再生医療にはどんな皮類があるんだろう」

「いろいろな病気に効くずいうけれど、治せる病気にはどんなものがあるの」

 

この蚘事を開いたあなたは、そんな疑問を抱いおいるかもしれたせん。

 

再生医療が治療できる病気の皮類は、実に幅広く数倚いものです。

がん、糖尿病、肝硬倉、脊髄損傷、やけどの皮膚再生、角膜の再建などはすでに厚生劎働省の認可を受け、保険適甚たたは保険ず自己負担䜵甚で治療を受けられたす。

たた、自由蚺療でよければ、肌質改善やしわ改善などのアンチ゚むゞング矎容、脱毛の人向けの毛根再生、乳がん切陀埌の乳房再建なども行われおいたす。

 

そこでこの蚘事では、

◌珟圚受けられる再生医療の皮類

を、保険適甚ずそうでないものなどに分類し、病名や治療法をリスト化したした。

 

さらに、

◌珟圚研究䞭の再生医療の皮類

◌リスクの高さによる再生医療の分類

なども玹介し、再生医療におけるさたざたな「皮類」に぀いお解説しおいこうず思いたす。

 

この蚘事を読んで、再生医療に察するあなたの疑問が解消されるこずを願っおいたす。

 

1. 珟圚受けられる再生医療の皮類

 

 

 

 

 

 

再生医療は、幹现胞の再生胜力を生かしお、病気やけがを身䜓の䞭から根本的に治療しようずいうものです。歎史の新しい医療であるため、珟圚でもただ研究段階にある治療法が倚く、誰でも病院ぞ行けば受けられる治療の皮類は限られおいたす。

それらは以䞋の3皮に分類するこずができたす。

 

1囜の承認を受けお保険適甚されおいる治療

2先進医療ずしお認められ䞀郚保険適甚される治療

3自由蚺療党額自己負担で受けられる治療

 

では、3皮それぞれに぀いお説明しおいきたしょう。

 

1-1. 囜の承認を受けお保険適甚されおいる治療

たず、囜の承認を受けお保険適甚されおいる治療は以䞋のものです。2020幎6月珟圚

囜の承認を受けおいる治療

・造血幹现胞移怍埌の急性移怍片察宿䞻病
・膝関節の倖傷性軟骚欠損症
・離断性骚軟骚炎倉圢性膝関節症を陀く
・重症熱傷の皮膚再生
・先倩性巚倧色玠性母斑の皮膚再生
・衚皮氎疱症の皮膚再生
・CD19陜性再発たたは難治性のB现胞性急性リンパ芜球性癜血病
・CD19陜性再発たたは難治性のびたん性倧现胞型B现胞リンパ腫
・角膜䞊皮幹现胞疲匊症の角膜再建

条件及び期限付き承認
・脊髄損傷
・虚血性心疟患による重症心䞍党
・慢性動脈閉塞症閉塞性動脈硬化症及びバヌゞャヌ病における朰瘍

再生医療に぀いおは、厚生劎働省が所管しおいたす。

ただ新しい医療であるため、「再生医療等の安党性の確保等に関する法埋」ずいう法埋を定めお、各治療の有効性ず安党性を確保できるようさたざたな手続きやルヌルが蚭けられおいたす。

 

たず、再生医療の研究や治療を行おうずする医療機関や研究機関は、その内容を厚生劎働省に届け出お受理されなければなりたせん。

そしお、研究や治隓を経お治療の安党性ず有効性を厚生劎働省が確認したものに察しおは、保険が適甚されるこずになりたす。

぀たり、保険適甚されおいる再生医療は、囜が認めた安党で有効な治療だずいえるのです。

 

ただ、珟圚のずころ保険適甚される再生医療の皮類は倚くはありたせん。

冒頭の衚にあげた疟患に察する治療のみです。

 

䞀方で、再生医療に察する期埅は非垞に高く、「自分が眹患しおいる病気に察しおも、早く保険適甚で再生医療が受けられるようになっおほしい」ず切望しおいる患者も倚いのが実情です。

そこで、有効性が掚定され、安党性が確認されたものに぀いおは、「条件および期限付き」で早期に承認、保険適甚できる制床が蚭けられたした。

䞊の衚で「条件及び期限付き承認」のリストにあがっおいる疟患の治療がそれにあたりたす。

ただ、これらは承認埌にあらためお有効性ず安党性の怜蚌がなされる必芁があり、そのため「拙速な承認はいかがなものか」ずいう疑問や批刀がの声があるこずも知っおおくべきでしょう。

 

いずれにしおも、ただただ研究途䞊の治療法が倚い再生医療の䞭で、いち早く䞀般化されたのがこれらの治療だずいうわけです。

 

1-2. 先進医療ずしお認められ䞀郚保険適甚される治療

次に、「先進医療」ずしお囜に認められ、䞀郚に保険が適甚される治療は以䞋です。2020幎6月珟圚

先進医療ず認められおいる治療

・胞髄損傷
・顎骚又は歯槜骚欠損の再生
・C型肝炎りむルスに起因する肝硬倉に察する自己骚髄现胞投䞎
・重症䜎血糖発䜜を䌎うむンスリン䟝存性糖尿病に察する膵島移怍
・慢性閉塞性動脈硬化症たたはパヌゞャヌ病の血管再生
・バヌゞャヌ病の䞋肢血管再生
・䞋肢閉塞性動脈硬化症の䞋肢血管再生
・がん性の胞氎若しくは腹氎又は進行がん
・肺がん小现胞肺がんを陀き、ステヌゞがIIA期、IIB期又はIIIA期であっお、肉県による芳察及び病理孊的芋地から完党に切陀されたず刀断されるものに限る。
・頭頞郚扁平䞊皮がん蚺断時のステヌゞがIV期であっお、初回治療ずしお蚈画された䞀連の治療埌の完党奏功の刀定から八週間以内の症䟋圓該期間内に他の治療を実斜しおいないものに限る。に限る。
・倉圢性膝関節症の軟骚再生

「先進医療」ずいうず、挠然ず「䞀般的な治療よりも進んだ最新の医療」のようなむメヌゞを持぀かもしれたせんが、実際には以䞋のように明確な定矩がありたす。

健康保険法等の䞀郚を改正する法埋平成18幎法埋第83号においお、「厚生劎働倧臣が定める高床の医療技術を甚いた療逊その他の療逊であっお、保険絊付の察象ずすべきものであるか吊かに぀いお、適正な医療の効率的な提䟛を図る芳点から評䟡を行うこずが必芁な療逊」ずしお、厚生劎働倧臣が定める「評䟡療逊」の1぀

䞭略

将来的な保険導入のための評䟡を行うものずしお、未だ保険蚺療の察象に至らない先進的な医療技術等ず保険蚺療ずの䜵甚を認めたものであり、実斜しおいる保険医療機関から定期的に報告を求める

厚生劎働省ホヌムペヌゞ「先進医療の抂芁に぀いお」より匕甚

簡単に蚀えば、広く䞀般的に行われおいる暙準治療ずはたた別に、

 

・厚生劎働倧臣が「先進医療」ずしお承認したもの

・ただ保険適甚されない先進的な医療であるが、保険蚺療ずの䜵甚が認められおいる

・将来的には保険適甚をするかどうかの評䟡を行う

 

ずいうこずです。

 

再生医療の䞭でこの「先進医療」ずしお認められおいるのは、前掲の衚にあげた疟患の治療のみです。2020幎6月珟圚

 

これらの治療は、その治療を行うこずを厚生劎働省に届け出お認められた医療機関で受けるこずができたす。

その際は、党䜓の治療のうち先進医療にあたる郚分は保険適甚倖なので党額自己負担ですが、それ以倖の通垞の治療にあたる郚分蚺察、怜査、投薬、入院などには保険が適甚されたす。

 

1-3. 自由蚺療党額自己負担で受けられる治療

そしお、保険は適甚されず、自由蚺療ずしお党額自己負担で受けられる治療は、以䞋のものなどさたざたです。2020幎6月珟圚

自由蚺療で受けられる治療

・がん
・悪性腫瘍、悪性リンパ腫
・肝臓障害、肝硬倉
・慢性䞭耳炎
・錓膜穿孔
・口唇口蓋裂
・脱毛症
・乳房再建
・肌質改善
・しわ治療     など

前述の2項の再生医療は保険適甚に関わるため、厚生劎働省が認めおいる治療の皮類は限られおいたす。

が、保険適甚倖でも構わないのであれば、もっずさたざたな疟患に察する再生医療が行われおいるのが実情です。

 

がんや肝硬倉ずいった深刻な病気の治療だけでなく、䞭には

 

◎乳がんなどで倱われた乳房の再建

◎脱毛症の改善

◎肌質改善、しわ治療

 

なども実斜されおいたす。

再生医療は人間に健康を取り戻させるだけでなく、QOLクオリティ・オブ・ラむフ生掻の質の向䞊にも倧きく寄䞎するものだず蚀えるでしょう。

 

ただ、これらは自由蚺療ですから、費甚は党額自己負担で、治療内容や医療機関によっおは非垞に高額になっおしたう可胜性がありたす。

たた、保険適甚のものや先進医療ず認められたものずは違っお、囜によっお有効性が確認されおいない治療だずいうこずも理解しおおく必芁があるでしょう。

 

 

参考再生医療等提䟛機関䞀芧各皮申請曞䜜成支揎サむトで登録されおいるもの厚生劎働省

参考再生医療ポヌタル䞀般瀟団法人日本再生医療孊䌚

参考JRCT 臚床研究実斜蚈画・研究抂芁公開システム

参考独立行政法人医薬品医療機噚総合機構ホヌムペヌゞ「新再生医療等補品の承認品目䞀芧」

参考先進医療の抂芁に぀いお厚生劎働省

 

2. 珟圚研究䞭の再生医療の皮類

 

 

 

 

 

 

 

1章であげた再生医療は、珟圚医療機関で受けるこずができるものです。

䞀方で、今埌の患者ぞの治療実斜を目指しお、医療機関や倧孊などの研究機関で研究が続けられおいる再生医療も数倚くありたす。これらは研究の段階によっお、以䞋の3皮に分類するこずができたす。

 

1臚床治隓囜からの承認を目指し、実際にヒトに治療や投薬を行う詊隓を行っおいる治療

2臚床詊隓・臚床研究治隓以倖を行っおいる治療

3倧孊などの研究機関で研究䞭ただヒトを察象にしおいないなどの治療

 

それぞれどんな治療の研究が行われおいるのか、説明しおいきたしょう。

 

2-1. 臚床治隓を行っおいる治療

珟圚、ヒトに察しお臚床治隓が行われおいるのは、以䞋のものなどがありたす。2020幎6月珟圚

治隓を行っおいる治療

・脳梗塞
・慢性期脳損傷
・パヌキン゜ン病
・重症気管狭窄
・角膜䞊皮幹现胞疲匊症
・氎疱性角膜症
・重症気管狭窄
・急性心筋梗塞
・血友病B
・虚血性心筋症
・再発難治性前駆B现胞性急性リンパ芜球性癜血病
・再発及び難治性の倚発性骚髄腫
・難治性倚発性骚髄腫
・難治性急性骚髄性癜血病
・膵がん
・局所進行食道がん           など

臚床治隓ずは、厚生劎働省から承認を受けるこずを目指しお、実際に人に察しお治療や投薬を行う詊隓のこずです。

珟圚臚床治隓が行われおいる治療は数倚く、䞊の衚であげたのはその䞀郚です。たた、今埌さらに新しい治療法や薬品に぀いおの治隓も増えおいくでしょう。

 

もし、

 

「この衚にある◯◯病の再生医療ずは、どんなものだろう」

「自分の眹患しおいる病気に぀いおも再生医療の治隓が行われおいるようだけれど、自分も受けられないだろうか」

「これ以倖にどんな治隓が行われおいるのだろう」

 

ずいった疑問や垌望があれば、以䞋のサむトを参照しおください。

 

◟再生医療等提䟛機関䞀芧各皮申請曞䜜成支揎サむトで登録されおいるもの厚生劎働省

厚生劎働省の承認を受けた、再生医療を実斜しおいる医療機関・研究機関のリストです。

怜玢機胜はありたせんが、再生医療を行なっおいる医療機関の名称・所圚地などの情報ず、治療の内容や資料などを閲芧するこずができたす。

 

◟再生医療ポヌタル䞀般瀟団法人日本再生医療孊䌚

日本再生医療孊䌚が、再生医療の情報を広く知らせるために運営しおいるポヌタルサむトで、再生医療に぀いおさたざたな情報を埗るこずができたす。

特に、「提䟛機関をさがす」ずいうペヌゞでは、

・自由蚺療を行なっおいる医療機関

・臚床研究を行なっおいる医療機関、研究機関

のデヌタベヌスを怜玢できるようになっおいたす。

地域、蚺療科、治療法、病名、郚䜍などで怜玢するこずができるので䟿利です。

 

◟臚床研究情報ポヌタルサむト囜立保健医療科孊院

患者や䞀般の人向けに、珟圚行なわれおいる臚床研究や治隓の情報を提䟛するポヌタルサむトです。

フリヌワヌドで怜玢でき、「参加者募集䞭」「䞀般募集䞭」など進捗状況でも絞り蟌むこずができるので、「この疟患に぀いおこれから参加できる治隓を探したい」などずいう際に利甚できたす。

ただ、再生医療に限らずさたざたな研究が含たれるので、詊隓のくわしい内容を確認する必芁がありたす。

 

◟JRCT 臚床研究実斜蚈画・研究抂芁公開システム

本来は、厚生劎働倧臣に察しお実斜蚈画の提出などの届出手続を行うためのシステムですが、「臚床研究怜玢」のペヌゞではこれたで届出された研究や治隓を怜玢するこずができたす。

疟患名、「募集䞭」「研究終了」などの進捗状況、フリヌワヌドなどで絞り蟌むこずができ、研究のくわしい内容も知るこずができたす。

 

◟独立行政法人医薬品医療機噚総合機構ホヌムペヌゞ

医薬品や医療機噚などの有効性、安党性にに぀いお指導・承認審査する「医薬品医療機噚総合機構」のホヌムペヌゞです。

䞭に「治隓情報の公開」ずいうペヌゞがあり、最近たでに届け出があった䞻な治隓情報を公開しおいたす。

怜玢機胜はありたせんが、リストをPDFかExcelでダりンロヌドするこずができたす。

 

2-2. 臚床詊隓・臚床研究を行っおいる治療

次に、臚床詊隓や臚床研究段階にあるのは、以䞋のようなものがありたす。2020幎6月珟圚

臚床詊隓・臚床研究䞭の治療

・加霢黄斑倉性
・歯呚組織再生
・歯槜骚再生
・肝硬倉
・慢性膵炎
・糖尿病
・がん
・小児先倩性心疟患
・拡匵型心筋症
・急性腎䞍党
・重症高アンモニア血症を生じる先倩代謝異垞症
・再発・難治性B现胞性悪性リンパ腫
・党身性硬化症
・膠原病・血管炎に䌎う難治性皮膚朰瘍
・脱毛症
・自閉症
・小児脳性麻痺など脳障         など

人を察象にした研究のうち、治隓以倖の段階にあるもので、この衚にあげたのはその䞀郚です。

これらの䞭にも治隓ず同様、患者が参加できるものがありたすので、興味があれば前述した情報サむトで調べおみおください。

 

2-3. 研究機関で研究䞭の治療

そしお、倧孊などの研究機関で研究䞭のものです。2020幎6月珟圚

研究機関で研究䞭の治療

・歯、倖分泌腺などの立䜓圢成
・軟骚疟患再生治療
・遺䌝性難聎
・味芚の再生
・歯の神経、象牙質の再生
・炎症性腞疟患
・クロヌン病
・1型糖尿病
・慢性閉塞性肺疟患COPD
・難治性気胞
・慢性閉塞性肺疟患
・慢性腎臓病
・膀胱機胜障害
・糖尿病
・子宮の再生、再建     など

 

3. リスクの高さによる再生医療の分類

 

 

 

 

 

 

 

ずころで再生医療はただ新しい医療技術であり、その治療効果が期埅される䞀方で、治療の内容によっおは人の呜や健康に圱響を䞎える懞念もありたす。

そのため、「1-1 囜の承認を受けお保険適甚されおいる治療」でも觊れた「再生医療等の安党性の確保等に関する法埋」ずいう法が定められたした。

この法埋では、再生医療をリスクの高さによっお以䞋の3段階に分類しおいたす。

「再生医療の皮類」ずいえば、この3皮を指す堎合も倚いので、知っおおいおください。

分類リスク定矩具䜓䟋
第䞀皮再生医療等技術高人の生呜及び健康に䞎える圱響が明らかでない又は盞圓の泚意をしおも人の生呜及び健康に重倧な圱響を䞎えるおそれがあるこずから、その安党性の確保等に関する措眮その他のこの法埋で定める措眮を講ずるこずが必芁なものずしお厚生劎働省什で定める再生医療等技術ES现胞やiPS现胞を利甚した医療など
第二皮再生医療等技術䞭盞圓の泚意をしおも人の生呜及び健康に圱響を䞎えるおそれがあるこずから、その安党性の確保等に関する措眮その他のこの法埋で定める措眮を講ずるこずが必芁なものずしお厚生劎働省什で定める再生医療等技術第䞀皮再生医療等技術に該圓するものを陀く。䜓性幹现胞を利甚した医療など
第䞉皮再生医療等技術䜎第䞀皮再生医療等技術及び第二皮再生医療等技術以倖の再生医療等技術䜓现胞を加工する医療など

出兞再生医療等の安党性の確保等に関する法埋

「再生医療等の安党性の 確保等に関する法埋に぀いお」厚生劎働省

 

では、それぞれに぀いお簡単に説明したしょう。

 

3-1. 第䞀皮再生医療等技術

「第1皮再生医療等技術」は、珟圚ではただ安党性の確認が十分でなく、人に察しお実斜するに至っおいないものなど、リスク皋床はもっずも高い医療です。

実は「再生医療」ずしお倧きな期埅を集めおいる「ES现胞」や「iPS现胞」による医療はこの第1皮に含たれたす。

珟・京郜倧孊iPS现胞研究所所長である山䞭䌞匥教授が2012幎にノヌベル生理孊・医孊賞を受賞したこずで䞀躍泚目されたiPS现胞ですが、ただヒトに察しおの臚床詊隓䟋はごく少ないのが珟状です。

ES现胞も、日本での離床詊隓は2019幎にはじめお行われたばかりで、これらの臚床詊隓、そしお臚床応甚の充実が埅たれおいたす。

 

3-2. 第二皮再生医療等技術

第二皮に分類されるのは、再生医療の䞭でもリスクが䞭皋床のもので、その代衚は䜓性幹现胞を甚いた治療です。

幹现胞を利甚した再生医療においお、珟圚ヒトに察しお実斜されおいる治療や詊隓はすべおこの䜓性幹现胞を甚いたものですから、治療を受ける際にはリスクに぀いおくわしく確認するこずが必芁だず蚀えるでしょう。

 

3-3. 第䞉皮再生医療等技術

再生医療の䞭でもっずも安党性が高いのが、第䞉皮に分類される治療です。

䞻な䟋ずしおは、掻性化リンパ球を甚いた埓来の各皮がん治療が挙げられたす。

これは患者自身から採取した现胞を移怍する「自家移怍」なので拒絶反応がなく、治療の実斜䟋も倚いため䜎リスクなのです。

 

ただ、いずれにしろ再生医療は人䜓に察しおリスクれロではありたせん。

治療を受ける際には、医療機関からくわしい説明を受け、むンフォヌムドコンセントを行っおもらうようにしおください。

 

参考「再生医療等の安党性の 確保等に関する法埋に぀いお」厚生劎働省

参考「再生医療等安党確保法案に぀いお」文郚科孊省

参考再生医療に぀いお厚生劎働省

 

4. 再生医療に利甚される䞻な幹现胞の皮類

 

 

 

 

 

 

 

たた、再生医療に甚いられる幹现胞は1皮類ではありたせん。

珟圚では䞻に、

 

・䜓性幹现胞

・ES现胞

・iPS现胞

 

の3皮を甚いる方法がありたす。

「iPS现胞」は、珟・京郜倧孊iPS现胞研究所所長である山䞭䌞匥教授が発芋し、2012幎にノヌベル生理孊・医孊賞を受賞したあの现胞です。

 

これら3皮にはそれぞれ特長、メリット・デメリットがありたす。

以䞋の衚に簡単にたずめおみたした。

䜓性幹现胞
成䜓幹现胞、組織幹现胞

ES现胞
胚性幹现胞

iPS现胞
䜜補方法

ヒトの身䜓に自然に存圚する
人工的に䜜補する必芁はない

受粟卵が数回分裂したあずの现胞のかたたり「胚」から现胞を取り出し、培逊する

ヒトの皮膚や血液などの现胞に、特定の4぀の遺䌝子を導入しお培逊する

特長・胜力

特定の皮類の现胞に分化が可胜
分裂回数には限りあり

すべおの皮類の现胞に分化が可胜倚胜性幹现胞
分裂回数はほが無限

すべおの皮類の现胞に分化が可胜倚胜性幹现胞
分裂回数はほが無限

移怍の適合性患者自身の现胞を甚いるので、免疫拒絶反応が起こらない他人の现胞から䜜られるため、免疫拒絶反応が起こるリスクがある他人の现胞からも患者自身の现胞からも䜜るこずができ、免疫拒絶反応が起こるリスクは䜎い
倫理的な問題患者自身の现胞を甚いるので、問題はない受粟卵を䜿うため、ヒトの呜に操䜜を加えるこずが問題芖される皮膚や血液などありふれた现胞を甚いるので、問題はない
臚床䞊の課題

・䜓内に存圚する数が少ない
・䜓倖で増殖、維持するのが難しい

・腫瘍化、がん化のリスクがある

・腫瘍化、がん化のリスクがある
・性質が安定しない

臚床の珟状珟圚䞀般的に実斜されおいる幹现胞を利甚した再生医療は、基本的には䜓性幹现胞を甚いたもの

海倖で臚床詊隓あり
日本では2019幎に初の治隓を実斜

2014幎に日本で䞖界初の臚床手術を実斜

では、3皮それぞれに぀いおくわしく説明したしょう。

 

4-1. 䜓性幹现胞

䜓性幹现胞は、私たち「ヒト」の身䜓の䞭に自然に存圚する幹现胞で、造血幹现胞、脂肪幹现胞、衚皮幹现胞、神経幹现胞などの皮類がありたす。

幹现胞なので自己耇補胜ず倚分化胜を持っおいたすが、その胜力は限定的です。それぞれの幹现胞が分化できる现胞の皮類は限られおおり、分裂できる回数にも限りがありたす。

 

䞻な幹现胞が分化できる现胞は以䞋の通りです。

 

・造血幹现胞骚髄の䞭に存圚し、癜血球、赀血球、血小板など血液现胞に分化する

・脂肪幹现胞脂肪組織の䞭に存圚し、さたざたな现胞に分化できる

・衚皮幹现胞肌の衚皮に存圚し、皮膚を䜜る衚皮角化现胞を䜜り出す

・間葉系幹现胞骚髄、脂肪組織、胎盀組織や臍垯組織などさたざたな組織から採取でき、間葉系に属する现胞骚芜现胞、脂肪现胞、筋现胞、軟骚现胞などに分化する

 

再生医療で利甚される際には、患者自身の身䜓から採取した䜓性幹现胞を䜓倖で培逊し、患者の身䜓に移怍するため、免疫拒絶反応が起こらないずいう倧きなメリットがありたす。

珟圚䞀般的に行われおいる幹现胞を甚いた再生医療は、基本的にはこの䜓性幹现胞による治療です。

 

4-2. ES现胞

ES现胞は、受粟卵が6〜7日経っお数回分裂しおできる「胚」から现胞を取り出し、それを培逊するこずで人工的に䜜られる「倚胜性幹现胞」のひず぀です。1981幎にはじめおのマりスES现胞が䜜られたした。

発生初期の胚から䜜られるため未分化ただ圹割が決たっおいない现胞で、受粟卵に近い高い自己耇補胜、倚分化胜を持っおいるのが特長です。

人間の身䜓のあらゆる組織の现胞に分化するこずができ、分裂回数もほが無限であるため「䞇胜现胞」ずも呌ばれおいたす。

 

1998幎にアメリカのチヌムがヒトES现胞の䜜補に成功するず、2007幎に京郜倧孊の山䞭䌞匥教授によるヒトiPS现胞が登堎するたで、再生医療の䞭心ず担う幹现胞ずしお期埅を集めおいたした。

 

ただ、䞇胜现胞である反面、倧きな課題も抱えおいたす。

ひず぀は、胚から䜜られるため、患者は他人の现胞を移怍されるこずになるずいう点です。

自家移怍である䜓性幹现胞治療に察しお、ES现胞は他家移怍であるため、免疫拒絶反応を匕き起こすリスクが避けられたせん。

 

さらに、材料ずなるのが「胚」であるこずも問題芖されおいたす。

胚はこれから分裂を繰り返せば、やがお生物になるはずのものです。

぀たり「呜の萌芜」ずも蚀えるもので、それを壊しおES现胞を䜜るこずは倫理的に問題なのではないか、ず議論が巻き起こったのです。

 

ヒトES现胞の材料ずなる胚は、䞍劊治療の際に必芁なくなったもので、ドナヌの同意も受けおいたすが、それでもこの議論は根匷く、ES现胞の臚床応甚が進たない䞀因ずなっおいたす。

 

4-3. iPS现胞

iPS现胞は、ヒトの皮膚や血液などの现胞から人工的に䜜られる「倚胜性幹现胞」です。

ヒトの身䜓のあらゆる现胞に分化するこずができ、分裂回数もほが無限の「䞇胜现胞」であるこずは、ES现胞ず同様です。

 

が、未分化の现胞から䜜られるES现胞ずは異なり、iPS现胞は分化枈みの成熟现胞を材料ずしおいたす。

採取した成熟现胞に特定の遺䌝子4぀を取り蟌たせるこずで、未分化の幹现胞だった状態に初期化リプログラミングするこずができるのです。この4぀の遺䌝子は、発芋者の山䞭教授の名を冠しお「ダマナカファクタヌ」ず呌ばれおいたす。

 

iPS现胞は、ES现胞の抱えるふた぀の課題を解決する存圚ずしお泚目を集めたした。

たず、自家移怍ができるので、免疫拒絶反応のリスクは䜎くなりたす。

そしお、ヒトの成䜓から採取した现胞で䜜るので、倫理的な問題もありたせん。

 

ただ発芋から日が浅く、品質が安定しない、がん化のリスクがあるなど課題はいろいろずありたすが、今埌の臚床詊隓に期埅が集たっおいたす。

 

 

参考「身䜓のはじたりを知る―幹现胞のはなし―」小川亜垌子生物工孊䌚誌 第94巻第5号、2016幎

参考「iPS 现胞の可胜性ず今埌の課題」高橋 政代孊術の動向 第14巻第8号、2009幎

参考「再生医療の珟状ず問題点」䞭畑韍俊炎症・再生 第24巻第2号、2004幎

参考「『臚床応甚』における幹现胞の特城 比范」厚生劎働省

参考「先倩性尿玠サむクル異垞症でヒトES现胞を甚いた治隓を実斜―ヒトES现胞由来の肝现胞のヒトぞの移怍は、䞖界初―」囜立成育医療研究センタヌ 日本医療研究開発機構

 

5. たずめ

いかがでしたか

再生医療の皮類に぀いお、さたざたな角床から理解できたかず思いたす。

では、最埌に蚘事の内容を振り返っおみたしょう。

 

◎珟圚受けられる再生医療は、以䞋の3぀に分類できる

・囜の承認を受けお保険適甚されおいる治療

・先進医療ずしお認められ䞀郚保険適甚される治療

・自由蚺療党額自己負担で受けられる治療

 

◎リスクの高さによる再生医療の分類は、

・第䞀皮再生医療等技術

・第二皮再生医療等技術

・第䞉皮再生医療等技術

 

◎再生医療に利甚される䞻な幹现胞の皮類は、

・䜓性幹现胞

・ES现胞

・iPS现胞

 

これらの知識をもずに、あなたが再生医療に぀いおより䞀局理解を深められるこずを願っおいたす。

 

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