新型コロナウイルス感染症の流行により、外出することが減って運動不足になったり生活リズムが乱れたりしていませんか。不規則な生活を続けていると、体に不調を感じ始めることも。放っておくと、小さな違和感がやがて生活習慣病の発症につながることもあります。
生活習慣病の代表的な症状が糖尿病です。治療には、運動や食事療法、禁煙が必須ですが、最近では再生医療を使った予防医療も効果が実証されています。今回は生活習慣病に対する再生医療の活用について紹介します。
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1. 生活習慣病とは
生活習慣病とは、食塩や脂肪の過剰摂取といった不適切な食生活、運動不足、喫煙などが原因で起きる病気を指します。該当する主な病気として、高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病、肥満症、脂肪肝、慢性閉塞性肺疾患、肺がん、歯周病などがあります。
肥満症や糖尿病などは初期であれば日常生活に大きな支障はないかもしれません。しかしそのまま対策をしなければ、人工透析が必要になったり、合併症として脳卒中や心筋梗塞を引き起こしたりする恐れがあります。また喫煙の習慣がある人は肺がんや咽頭がんの発症リスクが高まります。最終的には麻痺が残って介護が必要になったり認知症へと進行したりする油断できない病気です。
社団法人日本生活習慣病予防協会は、加齢などの生活習慣以外の要因も強く影響しているとした上で動脈硬化、骨粗鬆症、ロコモティブシンドローム、サルコペニア、フレイル、睡眠障害なども生活習慣病という側面があると紹介しています。人間の生活全般に関わる病気といえます。
参考:一般社団法人日本生活習慣病予防協会「生活習慣病とその予防」
http://www.seikatsusyukanbyo.com/prevention/about.php
2. 生活習慣病は合併症が危ない
体のあちこちで影響が出る生活習慣病ですが、病気のどの段階でも適切な治療に加えて生活習慣を改善することで進行を抑えられます。逆に対策をとらずに放置すると、死につながる恐れもあります。
予備軍を含めた患者が国内に約1000万人いるといわれる糖尿病を例に詳しく説明していきます。人間の体は食事後、血糖値が一時的に上昇します。そして直後にすい臓からインスリンが分泌され、細胞内にブドウ糖が吸収されて血糖値は下がり、徐々に元の状態に戻ります。しかし運動不足や内臓脂肪型肥満の場合はインスリンの働きが悪く、血糖値の高い状態が続きます。その状態が長く続くと、全身の血管が傷み、さまざまな合併症が現れます。
糖尿病の主な合併症には、手足のしびれや感覚が鈍くなるなどの症状がみられる「糖尿病性神経障害」、腎臓の働きが悪くなり恒常的な透析治療が必要になる「糖尿病性腎症」、目の中にある血管が傷ついて視力が落ちる「糖尿病性網膜症」があります。また脳卒中や心筋梗塞の併発リスクも高まり、肺炎や歯周病、皮膚炎なども発症しやすくなります。最近の研究では、がんや認知症とも関連があることが分かってきました。
糖尿病は、症状が出たときには病気が進行してしまっていることが多いといえます。そのため、年に1度は生活習慣病予防健診などを受診して自分の血糖値を確認するといいでしょう。糖尿病と診断されたら症状の有無に関わらず、さまざまな不調が出る前に生活習慣全体を見直すことが重要です。
参考:厚生労働省スマートライフプロジェクト「生活習慣病を知ろう!」
https://www.smartlife.mhlw.go.jp/disease/
参考:全国保険協会「検診のご案内」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4/cat410/
3. 生活習慣病予防の基本
予防の基本は「禁煙・規則正しい食事・運動」です。
■禁煙
タバコは悪影響が強い嗜好品です。タバコに含まれるニコチンは、糖代謝や脂質代謝に異常を引き起こします。また一酸化炭素は血液の酸素運搬機能を妨げて血液がどろどろになる原因を作り、タールには発がん性物質が含まれています。健康長寿を目指すなら禁煙は必須といえます。
■規則正しい食事
食事は腹八分目を心がけること。野菜や大豆製品、海藻、きのこを多くとり、三食を規則正しく、よく噛んで食べましょう。砂糖の入った飲み物をとりすぎるのは危険です。アルコールの摂取量は日本酒で1合程度、ビールだと500ミリリットルまでが適量とされています。
■運動
運動を習慣づけるには、まずは意識して歩くことです。いつもの駅の一駅手前で降りたり、普段は車で行く買い物を徒歩に変えたりして取り入れましょう。活動量に応じた適正な睡眠時間をとって疲労回復させることも意識してみてください。
参考:厚生労働省e-ヘルスネット[情報提供]「糖尿病」
4. 再生医療による予防効果
症状の改善や予防には、食生活や運動、規則正しい生活といった生活習慣の見直しに重点が置かれていますが、近年では再生医療を使った改善、予防の研究が進んでいます。
そもそも再生医療とは、けがや病気のため体の臓器や組織の機能が失われた場合、細胞を加工して移植し、失われた機能を再生させる医療のことです。京都大学の山中伸弥教授がノーベル賞を受賞したiPS細胞を使った再生医療の研究が広く知られています。他にも、私たちの体内に存在するさまざまな細胞を用いた再生医療が研究され、効果が報告されています。
その中の一つ、脂肪由来幹細胞は人間の血管や毛髪、脂肪などあらゆる組織の材料となる細胞に変化させることが可能で、関節軟骨の再生やしわ・たるみの改善、肝臓の機能回復、神経の再生などの治療に活用されています。また脂肪由来幹細胞を治療に用いるメリットの一つとして、拒絶反応のリスクの低さが挙げられます。患者自身から採取した細胞から作った新しい細胞を移植や投与をするため、拒絶反応が起きにくいのです。
これまでに、糖尿病予備軍と診断された患者が膝の治療を目的に再生医療を受けた結果、膝と一緒に糖尿病数値が良くなった事例や、しわ・たるみ改善の再生医療を施した患者のアトピー性皮膚炎が改善した事例などが報告されています。
全身の機能再生・改善によって未来を明るくしたいと考える人は、一度専門病院を訪ねてみてはいかがでしょうか。
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